恋恋と、赤赤と。大きい口だなあ。カリカリに焼いたポークハムをかぶせ、薄焼き卵と海苔で包まった俵形のおにぎりを、顎の開く限りに齧り付く赤井 真健二(あかい まっけんじ)の横顔を今日も眺めそんなことを思う。拳ほどのそれをものの二口、三口で平らげて行く。それも三つもだ。三つ目のおにぎりを咀嚼し終え、飲み下した所で彼が気付いた。僅かに怪訝な顔をして、唇を尖らせる。「なに見てんの。」にこりともせず、しかし気安い調子で彼は言う。「豪快な早弁だなと思って。」「阿閉(あとじ)もさっき食ってたじゃん、まあまあデカいメロンパン。」と、確かに先程こちらも大口を開けて平らげたメロンパンの件を持ち出され、見られたのかと下手を打った気分だった。朝食を食べて大体三時間が経過し、...09Nov2020originalnovels.index